今、歩道橋の上で君が笑ったような気がしたんだけど、どうだったかな。
君でなければ、いいと思うよ。

だって君をそんなに空に近づけたら、君は途端に大きな白い羽で羽ばたいて、青に溶けて、見えなくなって、それきり帰ってこないだろうから。

そしてもし君ならば、どうか下で、信号の気が変わるのを待つ間にさえ、飛び立つ君を想って悲しい顔をした僕に、気付かないでくれ。



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