第三章『芋虫の深層的森理学』あとがき

今までのようにメインストーリーがある章ではなく、【過程】、【設定の深堀】、【次へと繋げるもの】を書いたのがこの三章です。
今回も、あとがきというよりも振り返るという意味も込めていくつか解説したり補足したり蛇足したりしていきます。


〇書きたかったもの【過程】

まず、書きたかったものの一つ目が【過程】です。冗長だと感じられる部分も多かったかもしれませんが、小説、特に長編における冗長な文章が、個人的に好きなのです。実際の人生における、何かと何かの合間時間や、一人きりでだらだら過ごす時間。その間にも思考は動いていて、世界と一緒に過ごしている。そういう時間も、重要な選択や行動を起こす自分を作り上げていく大切なものだと思います。と、いうことで、主人公には色々と考えてもらいました。

また、対人関係の変化の過程も書きました。主人公の他人に対する印象や、「この人に対してはこう接する」という姿勢が、少しずつではありますが、固まりつつあります。

主人公の出現による、他の人物同士の関係性にも変化がありました。特に、ピーターの常盤さんに対する心象。一章では完全に常盤寄りで、主人公を敵視していたピーターが、主人公に感化されて変わってきています。

新たな人物との出会いも多い章でした。


○書きたかったもの【設定の深堀】

書きたかったものの二つ目が、【設定の深堀】です。「アリスの夢」について、不思議の国でのアリスの扱い、街・森の様子、登場人物同士の関係などなど…。

特に書きたかったのは登場人物同時の関係です。具体的には、ピーターと常盤さん、黄櫨くんの関係。今回、ようやく出すことが出来た彼らの関係についての設定。と、言ってもあまり詳しくは書いていませんが……彼らは元々一緒に暮らしていました。なので、ピーターは二人に特別な信愛を抱いていますし、二人も同様です。常盤さんの信愛は分かり難いものですが、黄櫨くんはかなり懐いています。でも黄櫨くんにとっては、ピーターの方が人生経験が少ないので、実は弟みたいに想っていたり……。
この不思議の国では二章で書いたように、それぞれに流れる時間が違うので、誕生日が来る頻度が多いか少ないかで「年上弟」や「年下兄」が出来ちゃうんです。我ながら、なんて美味しいご都合主義!(笑)

ちなみに彼らの過去に関しては、いずれ詳しく書く予定です。黄櫨くんのジャックが嫌いな理由などもその時に……。(物語中盤〜終盤で、各登場人物たちの過去編をまとめた章を予定しています)

緑葉と亀太郎の親子のような師弟関係は、書いていて楽しかったです。


〇書きたかったもの【次へと繋げるもの】

今回は色々と、次へとつなげるための要素を織り込みました。例えば…
・白銀との出会い
・常盤が所持しているエンジ色の本
・「“彼女たち”の日々」
・「真実を構成する事実」
・満月までの期限
・幕間
などです。この他にも、色々な謎やキーワード、フラグを埋め込みました。

各話の執筆にあたって、いつもとても悩むのが「どこまで書くか」です。現時点でどこまでを明らかにすべきなのか。その点で、一番最後の「幕間」は特に悩みました。でも、そろそろ黒幕には出てきてもらわねば……ということで(笑)
もう既に、黒幕の正体にお気付きの方が殆どだと思います。そこに至るまでに何があったか、を、どうかお楽しみに!


○次章は……

次章は、今までに無かった直接的な恋愛要素を入れていく予定です。そして、遂に、アリスの正体が……!?

ここまで読んでくださった方は、是非次の章も宜しくお願いいたします!

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